こんにちは。
あゆむ鍼灸院整骨院・院長の吉川です。
皆さんは学校に行きたいのに体がついてこず、登校できないという経験はありますか?
今では少しずつ周知され始めましたが、起立性調節障害(以下OD)という疾患があります。
(病態についてはリンクからアクセスください)
コロナ禍での休校があってからさらに加速した印象はありますが、ODで悩んでいる子供達は中学生の1割、全学年で35万人ほどいると言われています。
当院にもお悩みの子供が市外や県外からもたくさん来院くださいます。
教員や親御さんたちが子供の頃には聞いたこともない疾患である事が多く、子供に対してどのように対応すれば良いのかわからないという声をよく付き添いでこられたご両親からお聞きします。
この記事では施術している立場としてODに悩む子供へ大人ができることを書いていきたいと思います。
個人個人で性別や年齢、環境、性格など違いますのであくまで1つの意見として拝読いただけたらと思います。
1.ODへの理解を深める。
病院や治療院で検査を受けて診断が出て治療に来ているにも関わらず、一定数「気持ちの問題じゃないの?」とおっしゃられる親御さんは少なからずいます。
思い詰めて親も疲れ果ててしまうことを思えば、これくらいのスタンスでいることは良いのかもしれませんが、子供は大人の言葉をよく聞いています。
自分の辛さがなかなか理解されないというのは治療を進める中でも障壁となります。
しっかり耳を傾けこのODいう疾患について知ってあげてください。
2.ルール、決め事を家庭で作って一緒に守る。
ODを快方に向かわせる上で重要になってくるのが食事と睡眠です。
指導はしますが、実践するのはご本人の意思含め、ご家族のサポートが必要です。
特に注意が必要なのはスマホの仕様についてです。
今は小学生でもスマホを持っている子が多く、中学生になるとほぼ全員が持っていると思います。
しかし、就寝前にスマホを使用すると強い光のために睡眠の質が低下することがわかっています。
スマホの使用時間の制限や何時以降は自室に持ち込まないなど話し合ってルールを一緒に決めて一緒に実践してほしいと伝えています。
そのほか、水分の摂取やお菓子などの摂取制限についてもお話しいたしますが、お父さんやお母さんも一緒に実践することで環境を作ってあげてほしいと思います。
3.自分を責めない。
お子様が登校できないことや体調が安定しないことを自分の責任と感じてご自身を強く責めてしまう親御さんも見かけます。
それはまったくの間違いで昔からあったものが医学の進歩や研究とともに表面化され、今やODは一般的な疾患となっています。
原因は1つだけではなく、先天的な素因や環境はもちろん、なりやすい傾向にある性格など多岐にわたります。
分娩時に帝王切開や鉗子分娩が要因の1つと考えている専門家の方もおられます。
つまり、何か1つではなく、様々なものが絡み合って引き起こしているのであって、あの時こうすればこう言ってあげればなどの思い当たるようなことが大きな要因になることは非常に少ないということです。
それよりもしっかりお子様の不安を受け止めて前向きな思考を伝えてあげてもらえたらと思います。
しっかり褒める、注意が必要な場合はする、治療をしていていつも感じるのが距離感がすごく良いと感じる親子はODの改善も早いケースがほとんどです。
その親子の良い距離感に正解がないのが難しいところではありますが・・
もちろん言うは易しで続けて実行していくのは簡単ではありません。
しかし、今の状況を変えていくのに少しずつ変化していく必要があります。
ODにおいても症状は軽症から重症、サブタイプの違いにも様々ありますので、必ずしも正解というのはないと思いますが、大人の言動を子供はよく見ています。
悩んでいる子供たちが安心できる環境、社会を作って位あげるのが大人の役目です。
私も草の根の活動ながら治療を通じてODの周知活動続けていくのが自身の役割であると考えています。
この記事をご覧いただき少しでもODについて知っていただけたら幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございます。